犬が長生きが出来るようになった現在、犬の認知症も増加しています。
認知症になってしまうかもしれないと思うと不安だと思いますし、もし愛犬に認知症のような症状が見られた場合は心配になりますよね…。
でも、認知症は予防出来ますし、もし愛犬が認知症になってしまっても進行を遅らせることができます!
諦めたり悲観するのはまだ早いですよ!
今回は犬の認知症を正しく理解し、前向きに向き合うための方法をお伝えしたいと思います。
認知症になると大変だけれど、愛情と工夫で乗り越えられる病気だよ!
認知症は予防も出来るわよ!
犬の認知症とは
犬の認知症は、老化や遺伝、水頭症や脳腫瘍などの脳疾患、栄養障害などにより脳神経細胞や自律神経がうまく機能しなくなることで発症します。
医療技術の進歩やライフスタイルの変化により長生きする犬が増えた現在、認知症になる犬も増加しています。
《認知症を発症しやすい犬》
- 13~15歳以上の犬
- 柴犬などの日本犬や日本犬系雑種
- 屋外飼育の犬
ボクみたいな日本犬はなりやすいから特に注意が必要だよ!
なお、犬の認知症はしつけの有無とは関係なく発症します。
もしもあたしたちが認知症になってもあなたのしつけのせいじゃないわよ。
犬の認知症 チェックリスト
愛犬にこんな症状が見られたら認知症かも?
- 徘徊
- 夜鳴き(抑揚の無い声で鳴き続ける)
- 昼夜逆転
- 右回り、もしくは、左回りにくるくる歩き回る
- 直角コーナーで方向転換できない
- 狭いところに入り込んで出られなくなる
- 粗相をする
- 今まで出来ていたことが出来なくなる
- 飼い主の呼びかけに反応しない
- 食べたことを忘れる
- 下痢や嘔吐はしないのに痩せてくる
- いつもぼんやりしている
- 何もないところをぼーっと見ている、目の焦点が合わない
- 知り合いや飼い主などへの態度か変わる
- 視力、聴力を失い、異常に匂いを嗅ぐ
- 感情の起伏が激しい
上記のような症状が見られたら、まずは焦らず動物病院に相談しましょう。
認知症かどうかを見極めることが大切だからです。認知症かと思ったら実は別の病気だったという場合も多いです。
例えば、グルグルと同じところを回っている場合、認知症ではなく、前庭障害という脳の障害の場合もあります。
もし認知症だった場合は、進行を遅らせることが出来ますし、工夫次第で解決できる事もあります。
『年だから仕方ない…』と言わず、まずは検査をしてもらいましょう。
犬がいつもと違う行動を取った時は、動画で撮影して獣医師さんに見せるのがおすすめだよ!
動物病院での犬の認知症の診断方法
動物病院では認知症かどうかをチェックリストで確認します。
脳腫瘍など、なにか脳に大きな問題が起こっている恐れがある場合は、CT検査を行うこともあります。
ただ、CT検査には全身麻酔が必要なので、いきなりCT検査をするということはあまりありません。
犬の認知症の治療方法
犬の認知症には根本的な治療法はありませんが、適切に対応することで、進行を遅らせたり、症状を改善出来る可能性もあります。
犬の認知症の治療方法1:脂肪酸(EPA、DHA)のサプリメントやフードを与える
初期症状の場合、脂肪酸(エイコサペンタエン酸EPA、ドコサヘキサエン酸DHA)のサプリメントやフードを与えることで改善したり、症状を遅らせることができる可能性があります。
犬用の煮干しなどの青魚をフードにトッピングするのもおすすめです。
犬の認知症の治療方法2:抗酸化物質を含んだ食べ物を与える
β―カロチン、ビタミンC、ビタミンEなど抗酸化物質を含んだ野菜や果物を取り入れるのもおすすめです。体内で発生する活性酸素は脳の機能を低下させる原因となるためです。
犬の認知症の治療方法3:鎮静剤、麻酔薬を使用
場合によっては、動物病院で鎮静剤や麻酔薬等を使用することもあります。ただし、結果として認知症を進行させてしまう場合もあるため、獣医師とよく相談して慎重に決めるようにしましょう。
犬の認知症の予防・改善のために出来ること
大型犬では8歳を過ぎたら、小型犬では10歳を過ぎたら、認知症の予防と対策をしましょう!すでに認知症と診断された犬の場合も、出来ることはたくさんありますので、一つ一つ、前向きに向き合っていきましょう。
犬の認知症の予防・改善のために出来ること1:犬とコミュニケーションを取る
話しかける、優しく撫でてあげるなど、普段から犬とのコミュニケーションを心がけるようにしましょう。それだけでも良い刺激になりますよ。
犬の認知症の予防・改善のために出来ること2:外に散歩に行って、刺激を与える
体を動かせなくなると認知症が進みやすくなります。無理のない範囲で積極的に運動させるようにしましょう。
気候の良い日はペットカートで外に連れていき、外の空気を吸わせてあげるだけでも良いですね。
犬の認知症の予防・改善のために出来ること3:散歩コースを変える
時々散歩コースを変えるのもおすすめです。いつもと違うコースを愛犬と一緒に探索してみましょう!きっと愛犬もワクワクしながらお散歩できますよ。
ドッグランや旅行もおすすめよ!
犬の認知症の予防・改善のために出来ること4:基本的なしつけをしっかり行う
「お座り」や「待て」などのしつけも脳の刺激に繋がります。
褒めて伸びるタイプだよ
犬の認知症の予防・改善のために出来ること5:マッサージをする
マッサージをすると皮膚や手足に刺激を与えるので、脳の活性化にも繋がります。
あまり強く押しすぎないように注意が必要よ!
犬の認知症の予防・改善のために出来ること6:室温に気をつける
老犬は自律神経の機能が低下するため、室温にも気を付けましょう。
犬の認知症の予防・改善のために出来ること7:頭を使った遊びをする
かくれんぼ、宝探しゲーム、おやつの入ったおもちゃで遊んであげるなど、頭を使った遊びをしましょう。
知育玩具もおすすめだよ!
犬の認知症の予防・改善のために出来ること8:いつもと違うおやつ
たまにはいつもと違うおやつをあげるのも、いい刺激になりますよ。
犬の認知症の予防・改善のために出来ること9:身体を清潔に保つ
身体を清潔に保つと皮膚炎の予防にも役立ちますし、お風呂は良い刺激になります。ただし、老犬の場合はお風呂で体力を消耗してしまうこともあるので、あまり頻繁には入れず、体調を見ながら入れるようにしてくださいね。
犬の認知症 こんな時はこう対策しよう!
愛犬が認知症になってしまった場合も、工夫次第で愛犬も飼い主さんも快適に生活が出来るようになります。
壁に頭をぶつけたり、狭いところに入り込んでしまう場合
壁に頭をぶつけたり、狭いところに入り込んでしまったりして室内で生活させるのが危ない場合、下記の対策がおすすめです。
- 円状にサークルを設置する
- 子供用のビニールプールを利用する
- クッション性のあるウレタンマットをサークルに取り付ける
- 家具や壁にクッションを設置する
- 部屋の角や家具の隙間を保護する
- ベビーサークルの内側にバスマットを入れてサークル代わりにする
- ご飯やお水のお皿は壁際に置かない
- 床を滑りにくい素材にする
- 床をコーティングする
人間用のベビー用品を活用するのもおすすめだよ!
何度も食べたがる場合
1回の食事の量を減らし、回数を増やしましょう。
昼夜逆転している場合
- 日光浴をさせる
- 昼寝をさせないようにする
日光を浴びることで、体内時計をリセットできます。夜は部屋を暗くしましょう。
昼間は起こして遊んであげたり、可能ならば軽く散歩をしたりしましょう。
急に怒ったり、噛み付く場合
体に痛みがある恐れもあるため、まずは動物病院で検査を受けるようにしましょう。
目や耳が悪くなり、怖がって怒る場合もあります。優しく声を掛けながらそっと愛犬にふれるようにしましょう。
散歩時に他人に噛みつく恐れがある場合は、必要な時だけ口輪をつけるようにしましょう。
粗相をしてしまう場合
- トイレを移動させる
- 犬用おむつやマナーウェアに慣れさせる
- 室内トイレをマスターする
トイレを犬の居場所の近くに移動しましょう。
また、若いうちからおむつやマナーウェアを時々付けて、慣れさせることも大事です!「おむつやマナーウェアを付けたらおやつ」など、ご褒美とセットにすると効果的です。
外でしか排泄しない犬の場合は、室内トイレをマスターしておきましょう。
まとめ:犬の認知症は予防できる!もし認知症になってしまっても出来ることはたくさんある!
犬の認知症は予防出来ます。もし愛犬が認知症になってしまっても、改善の可能性はありますし、悪化させないようにすることも出来ます。
また、出来ないことが増えても、工夫次第で快適に生活することが可能です。
愛犬が認知症になってしまったら、一人で抱え込まないで獣医師やペットシッター等に相談しましょう。時には、老犬ホームに頼ることも必要かもしれません。
認知症になってしまっても、愛情は必ず伝わります。
愛犬も飼い主さんも幸せに生活できるように、頑張りすぎず、一つ一つの症状に前向きに向き合っていきましょう!