『体に悪いとわかっていても、なかなかタバコをやめられない…。』
『ストレスが溜まると、ついついタバコを吸ってしまう…』
そんな方もいらっしゃると思います。
タバコは人体に有害なことはわかっていますが、犬の体にはどうなのでしょうか。
タバコの煙は愛犬の体にも有害で、たとえタバコを愛犬の近くで吸わなくても、愛犬の健康を害する恐れがあります。
近くで吸わなきゃ良いって問題じゃないのよ
また、電子タバコも安全とは言い切れません。
タバコを吸う方にとっては耳の痛い話だと思いますが、可愛い愛犬のために今すぐタバコはやめましょう。
タバコに含まれるニコチンの量
タバコの種類によってかなり差がありますが、ニコチンの量が少ないから安全というわけではないので注意しましょう。
ニコチンガムとかニコチンパッチにも注意が必要だよ!
タバコのポイ捨てとか歩きタバコなんてもってのほかよね!
犬の場合のタバコによる致死量
5kgの犬の場合、致死量は2本ですが、1/3本ほどでも中毒症状を起こします。
もっと小さい犬の場合、1/2~1本食べてしまっただけで死に至る場合もあります。
また、タバコの吸い殻にも約25%ニコチンが残されているため、タバコを吸わない人も、散歩中に愛犬がタバコの吸い殻を食べてしまわないよう十分注意する必要があります。
犬が拾い食いをしないようにしつけることも大切です。
万が一、犬がタバコを誤飲してしまったら…
万が一、愛犬がタバコを誤飲してしまったら、症状がある無いに関わらずすぐに病院に連れていきましょう。
この時、吐かせようとして水を飲ませるのは絶対にNGです。
水を飲ませることによって、逆にニコチンの吸収を早めてしまうからです。
ニコチンは胃では吸収されず、小腸で吸収されます。そのため、胃で吐き出されずに、小腸まで到達してしまうと危険です。
速やかに動物病院へ連れていき、「タバコを食べた量・食べた時間・症状」を獣医師に正確に伝えましょう。
特に、子犬とかボクみたいな好奇心旺盛な犬はタバコに興味を示して誤飲してしまうことが多いから気をつけてね!
塩を食べさせて吐かせる方法もあるわ。でも急いで病院へ行くのが一番よ!
犬にこんな症状が見られたら、タバコの中毒症状かも
- ふるえ
- ぐったりする
- 興奮状態
- よだれが出る
- 脈が弱くなる
- 嘔吐
- 下痢
- 幻覚症状
- 聴覚障害
- 呼吸困難
- 血便
- 血尿
- 昏睡状態
これだけ見るだけで、どれだけタバコが危険なものかおわかりいただけるのではないかと思います…。
タバコの誤飲後15~40分ほどで初期症状が現れるとされていますが、症状が無い場合も、速やかに動物病院で診察を受けるようにしましょう。
誤飲から4時間経っても症状が無い場合は、ひとまず安心していいわよ
でも、念の為、動物病院には連れて行ってね!
タバコの火を消すための水も犬には危険!
タバコの火を消すための水を飲んでしまった場合も危険です。
タバコは水に浸かって1時間くらいで約50~70%のニコチンが溶け出しますので、万が一その水を飲んでしまうと、最悪死に至る場合もあります。
タバコの入った水を飲んでしまった場合は、速やかに動物病院に連れていきましょう。
副流煙は犬の身体にも有害
副流煙には、主流煙よりもニコチンは2.8倍、タールは3.4倍、一酸化炭素は4.7倍も多く含まれていると言われています。(※出典:厚生労働省)
発がん性のある化学物質ベンゾピレン、ニトロソアミン等も含まれています。
つまり、タバコを吸うと自分よりも周りにいる愛犬や大切な人の命を奪う恐れがあるということです。
あなたがタバコを吸うと、周りの人や動物の寿命が縮むのよ
副流煙を吸い込むと、人間でも癌や脳卒中など、命に関わる病気のリスクを高くしてしまうことがわかっていますが、同じく、犬も病気にかかるリスクが上がってしまいます。
受動喫煙している犬は鼻腔ガンや悪性リンパ腫を発症しやすいと言われています。
また、有害物質は床に付着するため、背が低い犬のほうが影響を受けやすいです。鼻の長さも関係があり、鼻が短いほうが影響を受けやすいと言われています。
副流煙によって体調を崩すと、くしゃみなどの症状が出る場合もあるよ
愛犬の近くでタバコを吸わなくても危険
『犬の近くでタバコを吸わなければ問題ない』と考えている方もいるようですが、実は、犬の近くでタバコを吸わなくても害はあるんです。
タバコの煙が付着した衣服や壁、床、カーテンなども体に害を及ぼす恐れがあるからです。これを「三次喫煙」と言います。
ですから、庭やベランダでタバコを吸えば大丈夫、というわけではないんですね。
また、衣服や体に付いたタバコの臭いも、鼻の良い犬にとってはかなり不快なものだと思います。
タバコくさい人は嫌いよ
電子タバコ(ベイプ)も犬には危険な恐れがある
『タバコがダメでも電子タバコならいいのでは』と思われる方もいらっしゃると思いますが、残念ながら電子タバコもNGです。
電子タバコも健康被害が発現する可能性があることがわかっているからです。
特に、リキッドの原料であるPG(プロピレングリコール)が猫には有害と言われています。犬への影響は不明ですが、影響がないとは言い切れないですよね。
安全のためには電子タバコ(ベイプ)もやめたほうが良いでしょう。
ライターも危険よ!
まとめ
タバコの煙に含まれる有害物質は、体内に蓄積し、癌や脳卒中など、命に関わる重大な病気を引き起こすリスクを上げてしまいます。
愛犬から離れてタバコを吸ったり、空気清浄機を使うなど、気を遣ってタバコを吸っている方も多いですが、愛犬の健康のことを考えるとそれだけでは不十分です。
たとえ愛犬の目の前でタバコを吸わなくても、衣服などに付いた有害物質で健康被害を及ぼす恐れもあるからです。
また、ご自身はタバコを吸わなくても、散歩中に愛犬がタバコの吸い殻を食べてしまう場合があります。タバコの吸殻にはニコチンが約25%ほど残っており、タバコの吸い殻の誤飲により最悪命を落としてしまうケースも少なくありません。
万が一、タバコの吸殻を食べてしまった場合は、速やかに動物病院へ連れていきましょう。
水を飲ませるとニコチンの吸収が早まってしまうため、絶対にNGです。
タバコの吸い殻と同様に、タバコの火を消すための水にもニコチンが溶け出しているため危険です。
タバコは百害あって一利なし。愛犬の命を奪う前に、タバコをやめましょう。