犬は少量なら梅干しを食べることができますが、与える量を間違えたり、種を食べてしまうと、最悪死に至るケースもあります。
一方で、梅干しは適切に与えれば、犬の健康に良い効果もたくさんあります。
そのため、梅干しを推奨する獣医師もいますが、私は梅干しを積極的には与えるべきではないと考えています。犬に梅干しを適切に与えることが難しいためです。
今回は、梅干しの危険性と効果について、ご紹介したいと思います。
犬に梅干しを与える危険性
冒頭でもお伝えしたとおり、梅干しはごく少量でしたら、犬に与えても問題はありません。
ただし、梅干しは与え方を間違えると命に関わる危険がある食べ物ですので、最初にその危険性について詳しくお話したいと思います。
犬に梅干しを与える危険性1:種を飲み込んでしまうと「腸閉塞」になる恐れがある
犬が梅干しの種を飲み込んでしまった場合、腸に詰まり「腸閉塞」になってしまう恐れがあります。
腸閉塞になった場合、最悪命を落としてしまいます。
腸閉塞になれば開腹手術をする必要がありますし、犬にも痛くて苦しい想いをさせてしまいます…。
冒頭でもお伝えしましたが、犬が梅干しの種を飲み込んでしまったら、様子を見ずに即座に動物病院に連れて行ってください。腸閉塞になってしまった場合、処置が遅れたことで命を落とすケースもあるからです。
特に小型犬は注意が必要よ!
また、犬がゴミ箱をあさって梅干しの種を食べてしまうケースもありますので、梅干しの種の処理は慎重に行ってください。
犬に梅干しを与える危険性2:大量に食べてしまうと「食塩中毒」を起こす恐れがある
いくら健康に良いと言われている梅干しでも、与える量を間違えてしまうと命に関わる場合がありますので、注意が必要です。
食塩の致死量は、犬の体重1kgあたり4gとされています。
梅干し1個の塩分含有量は1~2gですので、例えば梅干しを1/2個食べたくらいでは問題はありません。
ですが、梅干しを数個食べてしまった場合は食塩中毒を起こす恐れがあり危険ですので、すぐに獣医師の元に連れて行くようにしましょう。
塩分の摂りすぎも、小型犬のほうが危険性が高いから気をつけて!
あくまで最悪のケースを想定して書いていますので怖がらせてしまったかもしれませんが、こうしたこともあり得るということは知っておきましょう。
次に、梅干しの良い面についてもご紹介したいと思います。
犬に梅干しを与えた時の健康に良い効果
前項では梅干しの危険性について紹介しましたが、梅干しは適切に与えれば健康に良い効果もたくさんあります。
梅干しの効果1:老化、ガン予防
梅干しに含まれるポリフェノールには、抗酸化作用があり、老化やガン予防の効果も期待されています。
梅干しの効果2:肥満抑制効果
梅干しに含まれるポリフェノールには、脂肪を取り込むのを防ぐ効果が期待されています。
梅干しの効果3:殺菌効果
梅干しに含まれるクエン酸には、殺菌効果があります。
梅干しの効果4:免疫力UP
梅干しに含まれるクエン酸には、免疫力を高める効果が期待されています。
梅干しの効果5:食欲増進効果
梅干しに含まれるクエン酸には、食欲増進効果があります。
夏バテの時にいいかもね!
このように、健康に良い効果がたくさんある梅干しですが、私は下記の理由から、あまり積極的には犬に梅干しを与えるべきではないと考えています。
梅干しを積極的に与えるべきではないと思う理由
今までご紹介したとおり、梅干しにはたくさんの健康に良い効果がありますが、一方で、梅干しの与え方を間違えた場合、最悪命に関わります。
いくら梅干しが健康に良いとは言え、あまりにもリスクが大きすぎると思います。ちょっとお腹がゆるくなる程度のものではありません。
子どもからおじいちゃんおばあちゃんまで、家族全員が犬の食事について完璧に理解して、犬に梅干しを正しく与えられれば良いですが、実際はなかなか難しいと思います。
そのため、私はあまり積極的には犬に梅干しを与えるべきではないと考えます。
まとめ
梅干しは犬に適切に与えることができれば、健康に良い食品です。ただし、間違った与え方をすると、最悪命に関わることもあります。
・種を飲み込んでしまうと「腸閉塞」になる恐れがある
・大量に食べてしまうと「食塩中毒」を起こす恐れがある
・老化、ガン予防
・肥満抑制効果
・殺菌効果
・免疫力UP
・食欲増進効果
梅干しは健康に良いとは言え、適切に与えることは難しいため、あまり積極的には梅干しを犬に与えるべきではないと考えます。
繰り返しになりますが、犬が種を飲み込んでしまった場合や大量に梅干しを食べてしまった場合は、すぐに獣医師の元に連れていくようにしましょう。
どうしても梅干しを食べさせたい場合は、犬用の食品を使うのがおすすめです!
ただ、食事は健康な体を維持するためだけではなく、人と同じように犬にとって食べること自体が楽しみの一つでもあります。
そのため、基本的にはドッグフードと水のみを与えるべきですが、たまの楽しみとして、ドッグフード以外の食べ物・飲み物を与えても構いません。
ドッグフード以外の食べ物・飲み物を与える際は、犬が食べられる物なのかということはもちろんのこと、適切な与え方を守った上で与えるようにしてください。また、事前に獣医師と相談することを推奨します。